O-Westでは踊りながら楽しい2時間が過ぎましたが、今回のコンセプトとライブの流れについて少しお話ししますね。
-Taro Kijima
メインステージでのレディー・ウォーカーの巧みなBlack Music Historyのオープニングアクトの後、DUCがステージへと登場し、Gospel To The Nextの幕開けとなります。 Opening (DUC)
Rise To The Next (DUC/Taro Kijima)みなが自分達こそ神に気に入られた者だと証明する事に夢中だ このライブの為の新曲で、コンセプトソングの1つ目です。英語の詞です。その他の歌詞は以下。 Migi Bounce (DUC/Taro Kijima)たった5分のポジティブな創造さ 人は悲しみや怒り等のネガティブな感情を洗い流す為にダンスを必要としており、それこそが絶望の中に希望をつなぐ黒人音楽の一つの本質でもあります。
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1st Package:
Down By The Riverside(黒人霊歌/ゴスペル):私はこの重荷を川岸において向こう行く Love The Only Law (DUC/Taro Kijima)愛こそが僕らのたった一つのルール 上記の二曲は、参照となる聖書のセクションが同じです。 | 2nd Package:
All God's Children Got Shoes(黒人霊歌)神の子はみな靴を得た Heaven! (DUC/Taro Kijima)見慣れないビルの並ぶ輝く街に立って All God's~は、黒人達を奴隷として使いながら天国について話す奴隷主(当時の白人)達に対する痛烈な皮肉を含んだ黒人霊歌です。一方、同曲から歌詞をもらったDUCのHeaven!は、地上に造れる筈の平和と天国がテーマで、「イエスの名における(In | |||||
3rd Package:
Over My Head(黒人霊歌)天高く、風の中に音楽が聴こえる Over My Head (DUC/Taro Kijima)全てを終えてゆこうとする惨めな静寂の中で、突然私の為だけに鳴っている音楽に気づく 第二のコンセプトソングです。絶望の方が当たり前に思える人生を強いられた奴隷達が歌った、短く美しく切ない歌詞です。DUCバージョンは、神の存在をそっと、僕らにとってもっとふさわしくそれを現す言葉である「愛」に置き換えて、今の僕らが向かい合う可能性のある景色に置き換えて、今日の僕らの為の歌にしています。 | 4th Package:
We Shall Overcome(黒人霊歌)我々はのりこえてゆく 我々はのりこえてゆく We Shall Overcome(ジャズアレンジ)歌詞同じ。ジャズアレンジは、Sounds Of Blacknessの、やはり黒人霊 歌のアレンジである「Every Time I Feel The Spirit」のスタイル。 黒人の友人達にとっては、奴隷達が歌った歌であるのと同じように、公民権運動の指導者キング牧師がその運動のテーマ曲とした事で重要なナンバーです。つまり、彼らにとって複数の時代に渡って心を支えて来たテーマ曲である訳です。繰り返し繰り返し音楽や歌詞を繰り返すという黒人音楽のスタイルには、自分の心を新しく作りかえる効果があります。歌い続けた歌詞が心の中で育ち、やがて真実になるのです。のりこえる歌を歌う力がある限り、私たちはのりこえてゆく事が出来ると言う事です。 | |||||
Gospel To The Next-僕らが黒人音楽だと考えているこの音楽には、力強さと、喜びと、切なさと、皮肉めいた知恵と、それらを支える音楽の構造があります。それらはこれからも僕らを魅了し続けるでしょうが、人が必要としているメッセージは、人により、場所により、時代によって違います。「キリストが救ってくれます」というゴスペルの一節はある平和を知るイスラム教徒にとって意味を持ちませんし、「女なんていくらでもいるぜ」というブルースの一節はある若き妻と死別した夫には役に立ちません。新たなテーマや言葉をこのビートにのせる覚悟がないなら、この音楽は世界の財産になる事は出来ないでしょう。 壮絶な歴史の中でゴスペルが培った「命の叫びの伝達方法」は、全ての宗教や民族と歌える新しい言葉をのせる事で初めて、世界の財産となるのです。 長い事僕らは勝ちとる為に戦って来た | ||